ヒートパイプ融雪工法は、地中熱や温泉熱などのあらゆる再生可能熱エネルギーを、ヒートパイプを利用して融雪するシステムです。地中熱利用の場合は、地下深度20m程度までの地中から、温泉熱利用の場合は、配管内や水槽内などからヒートパイプを用いて熱を集め、路面に伝えて融雪を行います。
このヒートパイプは、降雪や気温低下により路面が冷やされ、熱源との間に温度差が生じると自然に作動し熱を運ぶため、電気や燃料を一切必要としないほか、運転操作も必要としない特徴を持っています。
この利用は、昭和60 年に国道18 号長野県信濃町野尻湖付近のスノーシェッド入口の凍結防止として最初に施工されました。その後、平成7 年には新潟県の国道など北信越地方から東北地方へと広がり、近年では、北海道、福島県、長野県、鳥取県などでも施工が始まっています。
ヒートパイプを融雪に利用するメリットは、温室効果ガス排出ゼロ、ランニングコストゼロ、メンテナンスフリーにあり、これらにより国際社会において喫緊の課題となっている地球温暖化防止に貢献できるほか、国を挙げてインフラメンテナンスの効率化を求めている今日、その維持管理コストの削減にも役立ちます。
そこで、専門性を持った関係企業によりヒートパイプ融雪工法の技術向上と品質確保に取り組みつつ、この工法を広く普及させることにより、地球環境負荷の低減とともに、安全で安心な雪国の暮らしづくりに貢献することを目的として「ヒートパイプ融雪工法協会」を設立するものであります。
平成30年2月
ヒートパイプ融雪工法協会
会長 池野 正志
「エネルギー」「環境」「温度差」「暮らし」「街」「安心」
− 当協会のロゴについて −
ロゴの上部で街や人々の暮らしを表し、下部でヒートパイプや地中熱を表現しています。青色のグラデーションが下部に向かって行くにつれ消えていくデザインにすることで、地中熱により雪が融ける様子を表しています。人々の暮らしと地中熱の密接な関係を強く表現したデザインです。